今回は住民基本台帳の人口移動報告を見てみようと思います。
何やら難しく聞こえるかもしれませんが、要は過去一年間にどういう人の移動があったかを説明する報告書です。
例えば、2015年に多くの人が移住してきていますが、その人たちはもともとどこの県の移住者だったのかといったことも調査内容に含まれています。
それでは実際に2015年、長野県に移住してきた人たちがどの県から来たのか見てみましょう。
移住者の合計は26,745人でした。ここでは、そのうち上位10までを紹介しています。
やはり一番は東京で、6,000人以上が東京からの移住者で、全体の約24%を占めています。
東京の周辺の県、神奈川、埼玉といった、いわゆる東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の割合は48%にも上ります。
これだけ高い割合になると、長野県出身者が長野県に戻ったというだけでなく、他県で育った人が長野に魅かれて移り住んでいると考えられます。
Jターンという言葉がありますが、よくI(アイ)ターン、U(ユー)ターンと一緒に使われます。
簡単に説明すると、Iターンとは生まれ故郷から東京のような都会に出てきて、都会で老後まで暮らすライフスタイルです。
Uターンは故郷から都会へ出て、そして再び故郷へ移住することです。
Jターンは故郷から大都会で働いた後に、大都会周辺の地域で暮らすことを指しますが、このケースは上記のように東京圏からの移住者割合が高いことなどから、長野県の移住者に当てはまる場合が多いのではないかと思います。
人口は首都圏一極集中に拍車がかかっていますが、長野県の豊かな自然に魅了される人間が増え、キャリア転換期や老後に移住を考えてくれるような候補者が増えるわけですから、長野県にとってはいいことなのかも知れませんね。